平井千絵 フォルテピアノだより

フォルテピアノの音色に魅せられ、オランダ留学→演奏活動開始、住むこと10年以上。2012年春に帰国しました。フォルテピアノ(現代ピアノのご先祖さま)奏者、指導者として活動しています。所属事務所ムジカキアラ http://www.musicachiara.com 東海大学芸術学科非常勤講師  東海大学生涯学習講座「大人のためのピアノ教室」https://ext.tokai.ac.jp/staticpages/index.php/koza-detail?id=2018aSAT02

music オランダ、EU

今日も審査員

ハーグは朝からの警告どおり、雪模様。。。
どおりで冷えるはず。

数年前から、母校のハーグ王立音楽院とアムステルダム音楽院の
フォルテピアノ科の試験の審査官をやっています。
今日はハーグでした。

ハーグのフォルテピアノ科には、ふたりの先生がいます。
Bart van Oort(バート ファン オールト)さん
―あ、バルト、と発音する人もいるかな。
と、
Stanley Hoogland(スタンリー ホッホランド)さんです。

学生時代、わたしはスタンリーの弟子でした。
今は連弾のコンビを組んでいっしょに演奏したり、
家族もいっしょになってぐだぐだゆったり過ごしたりもします。

ハーグの審査は、学生の演奏を聴いたあと、審査員全員がコメントを
自由に言い合います。
そのときに、その生徒のバックグラウンド(以前に学んだ楽器のこと:
モダンピアノなのかチェンバロなのか)や、担当教師がこの一年または
半年の成長についてどう感じているか、なども話されます。

入学してきたときに、割と形になっているなと思われる学生でも、
成長が見られなかったり(それにはいろいろな理由が考えられますが)
成長しようとする意思が見られなかったり、などなどが演奏に現れて
いると、評価は低くなり、コメントは辛くなります。
また、もうひと頑張りすれば良いところまで行くのに!と思わせる演奏
だったりしても、辛いコメントが続出します。
その日の演奏の出来不出来もそうですが、そこから透けて見える
彼・彼女の考え方や、フォルテピアノ専攻生としての誠実さも
審査の席では議論になります。

やはり、パートタイム フォルテピアニスト ではない演奏家、
(マルチタレントであっても)心からフォルテピアノを理解しようと努め、
愛する人材を育てたい、という気持ちがどの先生方にも
あるのだと思います。

他の先生たちの意見と、
自分が実際口に出してコメントした内容を比較することは、
練習したり演奏会を聴くだけでは得られない勉強になります。

教師歴としても、人間歴としても うんと上の先生たちの意見と
その言い表し方、表現の仕方は、とても深く、心に響くものがあります。

自分が学生でいるときには、ちょっとキツイ言い方で言われると
そこばかりに頭が行ってしまって、肝心のメッセージを受け取れて
いなかったようなことも、今となると分かるなぁ、、、という感じです。

歳をとるのもいいことかもしれません!

しかし、若いパワーと枯れた知性?を合わせ持つことができれば
もっといいのになぁ!

なんて、午後早い時間なのにくら~~いハーグの空の下を
歩きながら、思った日でした。

では、先日の雪の日。
snow

鳥さん会議の模様を最後にどうぞ。
snow 2
”ここの運河は凍ってなくて泳げるわよ~”

snow 4
”ってか、氷の上に雪って、歩きにくくない?”
”あーーブルブル”


近所のチーズ屋さんの店先。
snow 3

雪化粧のマジックにかかると、見慣れた街並みも、まるで
違ったものになりますね。
自然ってすごい。。。

Tuinmanさんのホームページができました

日本で使っている私のフォルテピアノを作ってくれた
Gerard Tuinman(ヘラート・タウンマン、かな、カタカナ読みだと・・・)
さんのホームページ
が出来あがったそうです。
デザインもすっきりして、彼らしく、なかなか素敵ですね!
追記・ ↑URLを打ち間違えていたようです。訂正しました

Instruments(楽器)のところをクリックすると、わたしの姉妹楽器が
出てきます。
音源は、わたしのクインテットのCD。
久しぶりに聞くと、今ならこうは弾かないかな、って思ったりもしますが、
クインテットの仲間とのレコーデイング珍道中が思い出され、
懐かしいです。

ベルギーはゲントのホールが会場だったのですが、
冬場で暖房が壊れ、
暖を取るために全員で組体操をして、汗を流したり(?!?!)、
ユースホステルの部屋でこっそり夕飯
(けっこううまくできてお互いの才能を称えあった)を作った
(よい子は真似しないようにしましょう)のだけど、
バスーンのヤニは魚が食べられなかったのに、
泣く泣くアンチョビ入りパスタを食べさせられてました。
録音最終日は打ち上げ~~と、タイ料理レストランに行ったら
お勘定が予想に反してめっちゃくちゃ高く、全員
冷や汗タラ~~になったり!
帰りは全員がフォルテピアノと一緒にトラックでオランダまで帰還。
帰路、渋滞に巻き込まれ、
ドライバーが発するオランダ語の”ばっちい言葉”を
いろいろ覚えてしまった、当時のわたくしでございました。
こうして、人間、たくましくなっていくんですねーー(爆)

タウンマンさんの楽器は、どれも誠実に精密に作られていて、
よく通る高音が好きです。
とても几帳面な彼らしく、丁寧なしごと、いつも尊敬します。
(お料理も几帳面です!私とは大違い。)

数日間降り続いた雪もあっという間に とけてしまいました。
来年に発売されるソロCDの準備に 忙しくしています。

エラールでのコンサート

RIMG0085たくさんのお客さまにご来場いただきました。
ありがとうございます!


ソロCD できあがりつつあります

今日は練習場に行くのをおやすみし、家でたまった事務作業や
読書や料理をして、生徒さんはひとりだけ教えて体を休めて
いました。
親知らずの抜歯をしてからもう1カ月以上になりますが、
まだトラブルが続いていて、なんだか疲れやすい気がします。
昨日は、細く長くお世話になっているホメオパシーの先生の
コリーネさんに電話して、レメディーやハーブティーを紹介して
もらいました。
まだまだ体は本調子ではないみたいです。

昨日、エンジニアのDaanくんから、ファーストエディットを
もらいました。初めてのソロCDの音源です!
体調を崩し、予定されていた録音日程をずらさざるを得なくなり、
それでも熱の下がらない中、録った音です。
これまで何度か、ソロのCD録音のお誘いはあり、セッションを
実際に組むところまでも行ったのですが、自分の納得行く
音が録れなかったり、コンセプトがあわなかったりと、ご縁が
ありませんでした。
でも、やっと、いろいろな条件がマッチし、2010年にショパンを
大好きなプレイエルのピアノで録ることができました。
ショパンが弟子たちに言い続けたことのひとつに、歌うような
カンタービレなタッチ、というのがあります。
実際にプレイエルを持ち、毎日触れる生活をするまでは
分からなかったことですが、ねじふせることなく、自然に
プレイエルを歌わせることの、なんとむずかしいことでしょう。
不必要な力、少しでも押しつけるタッチには、プレイエルは
頑固なまでの抵抗を見せ、響くのをやめてしまいます。
その頑固さに必死で対抗しようと頑張れば頑張るほど、
音は伸びないわ、ニュアンスは出ないわ、ふくよかだったはずの音は
木片を叩いたような乾いた響きになってしまい、弾き続けることが
憂鬱になるほど味も香りもない音になってしまうのです。
そんな何年間を過ごし、何度も”もういやだ!”とキライになった
プレイエルですが、その間わたしは多くのことを学び、今では
ほんとうに大好きになりました。
うちに来てくれてどうもありがとう、と、このご縁に感謝しなければと
思います。こんな素晴らしい楽器との出会いがあるというだけで、
幸運だと思うのに、そばに置いてその音と過ごせるのですから、
ほんとうに自分は幸せ者です。
この楽器のおかげで、修復してくれたエドウィン・ボウンクさんや
技術者のハンス・クラマーさん、日本に置いてあるわたしのフォルテピアノ
を作ってくれたヘラート・タウンマンさんからいろんなことを学びました。
メカにも強くないけど図形に弱いわたし、技術的なことは何度も
説明してもらってやっと5回目くらいに理解する程度ですが、
こんな私に辛抱強く何度も何度も説明してくれて、ほんとうに有り難い。
人間同士だから、いつもいつも付き合いが簡単にいくことばかりじゃないけれど、
そういうことも含めて、ユニークで貴重な経験をさせてもらっていると思います。

そんなふうにスローに成長している自分の、ここ一年あまりの感じ方が
つまったアルバムになりそうです。
来月2日の川越でのコンサートでは、アルバムからの曲をたくさん
弾きます。

プレイエル、アムステルダムに行くの巻

今日はわたしのプレイエル ピアノのお引っ越しでした。
ハーグの自宅は1880年代の建物なので、壁や天井が薄く
作られているらしく、ご近所さんとの音の問題があり、
練習にとても苦労していました。
が、先日、やっとピアノが置けて練習できる場所を見つけました!
アムステルダム中央駅から北へフェリーに乗って移動します。
最近、折りたたみ自転車を電車に持ち込んで、どこにでも
行くようになったので、明日からも毎日、愛(自転)車とともに
アムステルダムの町を雨に濡れながらさっそうと移動しますよー
新しい町の開拓に、心は躍ります~
が、これからのさっむくて風の強い時期、手袋とレインズボンの
持参は必須です。とくにフェリーは寒そう。

そういえばおとといの新聞に、村上春樹氏のインタビューが
一面トップで出ていました。・・・水着姿のお写真で、ちょっと
びっくりしました。
プロフィール

hiraifortepiano

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